プレスリリース 2024.06.21

日本製鉄: 第100回定時株主総会

日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)の機関投資家グループは、同社に対する3つの株主提案を支持いたしました。この3提案は、世界第4位の鉄鋼メーカーである日本製鉄の脱炭素戦略、及び気候変動に関するロビー活動の情報開示改善を求めたものです。

本日開催された日本製鉄の第100回定時株主総会では、コーポレート・アクション・ジャパン(CAJ)のエンゲージメント・リードを務める粟野瑞季が10分間の時間を頂き、株主及び日本製鉄経営陣の皆様に対して共同株主提案に関する補足説明を行いました。

  • 議案6:スコープ1、2、3のそれぞれにおいてパリ協定の目標に沿った温室効果ガス(GHG)排出削減目標を短期・中期的に設定し、開示するとともに、脱炭素投資に向けた設備投資計画の開示を求めるもの(提案した株主: CAJ、ACCR)
  • 議案7: GHG排出削減目標に連動した報酬を求める提案(提案した株主:CAJ、ACCR)
  • 議案8:気候変動に関連するロビー活動の情報開示改善を求める提案(提案した株主: LGIM、ACCR)

本提案は、合計4兆9,880億米ドルの資産を運用する機関投資家グループと日本製鉄とのエンゲージメントを経てなされたものです。

リーガル・アンド・ジェネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)インベストメント・スチュワードシップ 日本ヘッド 福田 愛奈氏のコメント

「気候変動という緊急事態に対し、日本製鉄に大胆なアクションを求める株主提案が採決に付されました。その中には、同社が政府の気候・エネルギーの政策議論にどのように関与しているかについて、説明責任と透明性の向上を求めるものが含まれています。向こう1年は、温室効果ガス削減目標や電源構成等、日本の中長期の脱炭素戦略の方向性が決まる重要な年です。国際的な気候目標に整合した政策環境が整うことは、地球沸騰化で市場が大きく変化する中、日本製鉄の国際競争力の維持に資するものと考えます」

「日本製鉄への注目度の高さの背景には、拡大を続ける世界規模のビジネス、温室効果ガスの排出量の多さ、そして政策策定に対する大きな影響力があると考えます。私たちは、日本製鉄との対話を継続していく所存であり、今後の議論には同社の取締役の方々のご参加を心待ちにしています」

同社クライメート・スペシャリスト ルイス・アッシュワース 氏のコメント

「日本製鉄に対して気候変動関連のロビー活動の開示を拡充することを求める株主提案を筆頭に、多くの株主が気候変動に関する株主提案に賛成を表明しました。2024年は世界的に再び記録的な高温となる年と予測され、気候変動に伴うリスクへの対応の緊急性が一層高まっています。私たちは、パリ協定の目標達成のためには企業の責任ある気候政策への積極的な関与が不可欠であると考えており、今後もこの重要なテーマについて日本製鉄と対話を継続していきます」

オーストラリア企業責任センター(ACCR)エグゼクティブディレクター ブリン・オブライエン 氏のコメント

「今回の提案に対する支持は、投資家が日本製鉄に対し、グリーンスチール転換への機会を捉える上で、より大きな野心を求めている証左です。日本製鉄は、海外でスケールを競う(アジア太平洋)地域のリーダーとして、信頼できる脱炭素戦略やグリーンスチールへの需要が高まる中で、顧客のニーズに応える計画を持っていることを投資家や政策立案者に示す必要があります。日本製鉄がこの投資家の声に応え、脱炭素化への移行を加速し、長期的な株主価値を高めるために必要な措置を講じることを期待します」

コーポレート・アクション・ジャパン(CAJ)代表理事 竹内 靖典のコメント

「今回の提案への支持は、日本製鉄の脱炭素移行計画に対する投資家の懸念と期待の表れと言えるでしょう。脱炭素化の遅れは企業価値を損なうリスクです。企業は、投資家が適切な判断を下すことができるように積極的に情報開示を行い、そうすることによって投資家の信頼を得ることができます。日本製鉄は産業界のサプライチェーンの中心に位置しており、大きな政治的影響力を有しています。投資家は、同社が日本の脱炭素化において主導的役割を果たすことを強く期待しています」

(了)

リーガル・アンド・ジェネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)について

LGIMは、欧州最大級の資産運用会社であり、世界有数の機関投資家です。総計1.2兆ポンド**(208兆円、1.5兆ドル、1.3兆ユーロ、1.2兆スイスフラン)の資産を運用しています。LGIMは、年金ファンド、ソブリンウェルスファンド、ファンドディストリビューター、個人投資家など、幅広いグローバルな顧客に対して運用サービスを提供しています。 ** 2023年12月31日時点のデータ。データは英国のLGIM、米国のLGIMA、香港のLGIM Asiaが運用管理する資産を合算したものです。資産運用残高には、有価証券およびデリバティブのポジションが含まれます。

オーストラリア企業責任センター(ACCR)について

ACCRは株主アドボカシー活動及び調査に特化した非営利の団体です。オーストラリアを拠点として世界の上場企業や投資家に関与し、積極的なスチュワードシップの実践を促進しています。

コーポレート・アクション・ジャパン(CAJ)について

CAJは、より迅速にネットゼロへ移行できるよう、株主の立場から活動する一般社団法人です。東京に本拠を置き、企業価値向上の観点から、気候変動対策について日本の企業と対話を行います。